あたしは、
近づいてくるこの人に合わせて一歩ずつ
下がる。
するとその人は・・・
スッと仮面を取った。
「ぶっ・・・あははは!
なんだよそれ・・・俺と夜也は全然違う
ってことかよ・・・」
「・・・え?」
「なんでこんなそっくりなのに俺が
朝也だと気づく・・・髪まで染めたのに」
あぁ、やっぱり朝也さんだったのか。
なんか
笑ってるし・・・なんで?
「わ、笑わないでください・・・」
「はは。悪い、けどさ・・・あんたも
笑っといた方がいいよ?泣くことになる
んだから、どうせ」
「・・・え?なにを言ってるんですか?」
泣くことになるってなんで・・・
意味が分からない・・・。
「意味が分からないって顔してるね?」
「・・・っ」
考えてることをズバッと
当てられたあたしは
なにも
返す言葉がなかった。


