何で?
いつもの安心感がない。
「やだっ、離して!」
―――ドンっ!!
「え?羅菜、どうしたんだよ?」
あたしは思いっきり
男の人を突き飛ばした。
とても驚いた顔をしてる。
だけど、
この人は夜也じゃないよ・・・。
顔と声はそっくりだけど・・・
ってことは・・・
「ほら」
「やめてください・・・朝也さん」
あたしに
腕を広げるのは・・・朝也さんだ。
「え?なに言ってんだよ羅菜。
朝也は金髪だろ?」
「でも、朝也さんじゃないとしても・・・
あなたは夜也ではないです・・・」
確かに、
朝也さんは金髪だ。
でも朝也さんじゃなくても・・・
夜也じゃない。
なぜか、そうとしか思えないんだ。