夜也は気づいてたんだと思う、
なにも言わずに微笑んでたから。
「羅菜?大丈夫か?着いたぞ」
「・・・へ?」
あぁ、本当だ・・・。
気づけば
あたしはもう自分の家の前に立っていた。
でも、どうしても
家に入ろうと思えなかった。
「どうしたんだよ?はいんねぇーの?」
「だって・・・」
またあの日のように
別れに寂しさを感じる・・・
どうして?
聞こえる・・・
ピッ、ピッ・・・なにか・・・数えてるような
音程で・・・。
「まぁ、ともかく俺今日は帰るな?
またな」
「待って夜也!!」
背を向ける夜也に今日は声をかけれた。
ピッ・・・この音が
なにかを
教えてくれてるような気がするから。


