なにも、

考えられない・・・。



「でもね?もしも、夜也くんに危険が
迫ってるなら・・・私も注意してほしい。

夜也くんは似てるから・・・」

「・・・え?」

「夜也くん、優しかった頃の・・・
兄さん似てるの。だから、芳樹も年下
なのに夜也くんは頼りがいがあるって

憧れてるって言ってるの」

「俺が憧れ・・・?」



桐谷さんも言ってた。

お兄さんは憧れだと、
この様子だと芳樹先輩のお母さんも

憧れてたってことだよね・・・?



「そうね、言い方を変えれば・・・
夢よ。私たちの夢なの・・・

夜也くんがそのままなにも変わらず大きく
なってくれたら・・・

なんて変よね、ごめんなさいね!」



焦ったように、

芳樹先輩のお母さんはその話を流した。



まるで、

家族を見つめるような視線を夜也に
注いでいた。