あたしの言葉を聞くと
驚いた表情をする羅菜。
「明は・・・あのあと警察官を殺して
逃げたの・・・。手錠なんて明には
通用しなかった・・・」
「そんな・・・っ」
あたしたちの目の前でしっかり手錠を
かけてくれた。
あの警察官の人がそのあと殺されたなんて
予想もしてなかった。
いや、明が人殺しをするなんて・・・。
そのことを次の日に聞いたあたしは
恐怖って言葉しか浮かばなかった。
臣也くんは
迷惑をかけたってあたしに何度も謝って
きた。
臣也くんは全然悪くないのに・・・。
それからだったと思う。
あたしも、
臣也くんも警察を目指したのは。
明のためだった。
夢見てた・・・明が元の優しい人に
もどってくれるんじゃないかって。
捕まえる前にあたしは辞めたけど。
「羅菜、これからなにがあるかは
分からないけど・・・
あなたが夜也くんを信じてあげるのよ」
信じることが
一番の幸せにつながると思うから。
「うん!」
羅菜はびっくりするくらい力強く返事を
してくれた。


