そう思うだろう?
そんな瞳であたしを見る。


明、その思いにあたしは答えることなんて
できない。


たとえ、
盗みは心を幸せにしてくれても

明自身の人生は悪い方にむしばんでいく
ってことに

明は気づいてないんだ。



「俺は初めて盗みをしたときにその快感
が忘れられずに繰り返してきたんだ。

だけど・・・」

「だけど・・・?」

「佐菜に彼氏が出来たって聞いたときは
バチがあたったんだと思ったけど・・・
金があれば佐菜は俺の元に来るだろ?」



最後に

プラスのことしか起こらないんだ。

そう明は付け加えた。



あたしはその言葉を聞いて
立ち上がっている力をなくして


地べたにへたれこんだ。




「どうして?明はどうしてあたしに
来てほしいの?」

「なんで、佐菜がんなこと聞くの?」

「え・・・?」