あたしの声を聞くと明はにやりと
笑った。
いつもの優しい笑顔なんかじゃない。
今目の前にいる
明はただ、ただ怖い。
黒い闇がやけに似合っている。
「兄さん・・・俺がお人好しってどうゆう
ことだよ?」
「そのまんまだろ。お前の部屋に俺が
入った。しかも手袋をして・・・
そしてお前の鞄には指輪・・・」
「・・・っ」
嫌だ、
嫌だよ明・・・
それ以上は聞きたくないと
思ってしまった。
「臣也、お前なんで・・・犯人扱いされて
ないんだよ?
お前を犯人にしたかったのに・・・
今普通に
ここに居るってことは免れたんだろ?」
「明・・・あんた臣也くんに
罪を擦りつけたかったの・・・?」
話しかけるのは怖かった、
だけどこのまま
黙って見てることなんて出来なかった。
でも、それが本当の明の姿だったんだ。
「佐菜ー・・・
俺が犯人だと気づいてたの?」


