でも疑わずにはいわれない。

こんな大きな問題だもん、
関連が少しでもある人がいれば

疑ってしまう。


「佐菜・・・!」

「う、うん?どうしたの?」


立ち上がってあたしの前に立ち、
いきなりあたしの肩を持つ

臣也くん。


「兄さんじゃないよな・・・
怪盗・・・そうに決まってるよな!?」

「うん、そうだよ・・・」



そうなんだよ、明じゃない。

あたしも臣也くんも
そう願いたかった・・・そう、

願いたかったんだよ。



「だよな、兄さんは無実・・・怪盗とは
無関係・・・」

「ばかだなー・・・お前はお人好し
すぎるんだよ臣也」

「・・・兄さん?」

「うそ・・・」



今、聞いてはいけない声なのに
普通のはずの声が


あたしの耳に深く突き刺さるように
聞こえた。


「明・・・」