臣也くんがやったわけではやっぱり
なかったみたい。
あたしは安心してふー、と息を
吐いた。
笑菜も同じようなことをしていた。
でも問題はなんで臣也くんの鞄に入って
たかってことだよね?
誰がそんなこと・・・。
「臣也、なんでこれが自分の鞄に入ってた
か分かんじゃねぇの?」
「・・・いや、ごめん。分かんない」
「まじかよ・・・。指紋とか残ってねぇの
かな!?」
「いや、きっと手袋してたと思う・・・」
臣也くんの冷静な受け答えに
「そっか・・・」と彼は肩を落とした。
だけどね、だけど臣也くん・・・
あたしには
臣也くんが少し冷静じゃないことが分かっ
てしまったんだ・・・。
分かんないの前に
なんだか間があったから・・・なにか
知ってるの?
もしかしたらなにか事情があって言わない
のかもしれないけど
今日は聞かないわけにはいかない。
みんな困ってるんだから。


