指輪が見つかって嬉しそうな表情を彼は
浮かべたけど
一瞬にして鋭い瞳になり視線は臣也くんに
向けられた。
「お前、なんでこれ持ってんだよ!?」
「・・・え?いや、それは俺にもわかん
ねぇーよ・・・」
戸惑う様子の臣也に彼は
「お前が・・・
お前が怪盗なんじゃねぇーの?」
そう言い放った。
ふざけんなよ、臣也くんがそんなこと
するわけないじゃん。
あたしはそう思ったけどその言葉を口に
出せなかった。
だって彼はとても真剣な瞳でそう言って
るんだもの。
「ま、待てよ!怪盗?もしかして今騒がれ
てるオークションに出すってやつ?」
「そうだよ」
「はぁ?俺そんなことしてねぇよっ!!
第一親父が調べてる事件の犯人が俺って・・・
ならもう捕まってるっつの」
「あ・・・そうか、お前んち警察じゃん」
臣也くんの言葉を聞いて彼は疑いの眼差し
をやめた。


