――――佐菜side.
…
これは羅菜や夜也くんたちが生まれる
ずっと前の話。
「あっ佐菜だ~!!」
「笑菜おはよーっ」
学生だったあたしは毎日笑菜と学校に
通っていた。
大好きだったもの。
常に一緒にいたかったの。
「おー、佐菜じゃん」
「あっ臣也くんじゃん」
遠くから名前を呼ばれて振り向くと
臣也くんが立っていた。
臣也くんも同級生だったから。
それに、
確かに同僚だけど
幼馴染でもあった。
「おはようっ、臣也くん!」
「おはよう、梅沢(ウメザワ)さん」
梅沢ってのは笑菜の前の名字なんだけど
笑菜は毎日顔を真っ赤にしながら
臣也くんに挨拶してた。
ずっと想いを寄せてたから。


