怪盗ピエロとお仕事中*


「お母さん、夜也のお父さんのお兄さん
のこと知ってる?」

「え?臣也くんのお兄さん・・・」



唐突に聞いたあたしに
始めはなんのこと?みたいな顔をした
お母さん。

だけど

どうやらやっぱり心当たりがある
みたいで

表情が険しくなるのが分かった。




「羅菜、どうしてその人を・・・
臣也くんが言ってたの?」

「うん・・・ちょっと色々あって・・・」

「色々って・・・」

「お母さん・・・?」



お母さんはなにかを考えるように
俯いたけどいきなり顔をあげてあたしの
肩を掴む。



「羅菜!バイトのときになにかあったの?
明(アキ)になにされたの!?」


そしてそう聞いてきた。


明って多分もしかしなくてもおじさんの
名前だよね。

会ったこともないし
なにかされるはずないんだけど。