泣きたいのはあたしなんかじゃない。
夜也本人の方が
悲しい気持ちなのは分かるから。
「ははっ、口ではなんとでも言えるんだ」
「そんなことない!!」
「それはどうかな。じゃ、検討を祈るよ」
朝也さんは
笑いながらヒラヒラ手をふって教室を
出て行った。
「・・・・・・っ」
あたしは
悔しさに耐えるしかなかった。
いや今はそれより
どこかの病院に居る夜也を探したい。
一番に浮かぶのは総合病院、
だけどそこに居るってことはかなりの
大けがなんじゃないかって
また悪い思考が頭いっぱいに浮かぶ。
病院に向かう中、
あたしは焦りからかいつもより
速足になってた気がした。


