「え?んーまぁそうなんだとは思ったけど
驚いたわけではないかな」

「じゃあやっぱ完全に知らなかったのか。
佐菜さんらしいな」



夜也はそう言って頷く。

いやいや、
どうゆうことか分かんないよ!?



「お袋さ、佐菜さんの話よくしてたんだ。
俺らが小さい頃。大事な人なんだって。
親父とは違う大切な人だって」

「うん・・・」

「だから俺、羅菜のこと知ってたんだ。
小さい頃会ったの覚えてないかな、羅菜は」



・・・え?

あたしたち
小さい頃も会ってたの・・・?

そう言われて笑顔の優しかった女の人、
笑顔の先にいる2人の男の子が

頭に浮かんでくる。



『羅菜ちゃん羅菜ちゃん・・・』


女の人はあたしに言ったんだ…

あれ?なんて言われたんだっけ?
どうしても思い出せない。




「夜也、少し思い出したよ。
優しい笑顔のお姉さん」