あたしはとっさに
夜也のお母さんが亡くなられたことを

思い出して聞こうと思ったけど

そのタイミングに人が入ってきた。


「どうしたんだ?」


それになんだか
一事件起きたみたいだ。



「羅菜、ちょっとここはでとこうぜ」

「あっうん!」



夜也は空気を悟ったのか
あたしの腕を引いて部屋をあとにした。



「あのさ、さっき・・・」

「うん?」

「お袋のこと聞こうと思った?」

「うん」

「・・・・・・」




あたしの言葉に夜也は暗い表情に
なった。

あっあたしバカだ・・・
不謹慎すぎる。




桐谷さんだって思い出したくなかった
はずなのに・・・。