そう確かに今夜也と呼んだんだ、
目線も夜也に注がれる。
「なに?無視?あー、兄さんって呼べば
よかった?けど双子だしそんなの関係な
くね?」
なにも話さない夜也の前に言って
そう言った。
・・・え?
双子なの・・・?
双子だなんて聞いたことなかった。
でもそうなら
2人が似てることに納得できるから・・・。
「朝也・・・無駄口たたかず自分の席にで
も座ったら?」
「・・・あぁ、そうだね。
先生、俺の席はあそこですか?」
「え?あぁ、そこに座ってくれ」
夜也はなにを言うんだろうって思ったけど
焦りもしない冷静な声で
そう言っただけだった。
さっきまで挑発的な話し方だった転校生も
なぜか静かに席に着いた。
少しだけ、先生が口を開くまでの少しだけ
の時間
無言な重たい空気が流れてた。


