あたしも横で眺めてみて
思い出す。
沈みそうな夕日、
あっもうすぐ夜なんだ。
夜也の時間なんだって。
でも今日のあたしが行く必要がないんだ
って。
「羅菜、今日はバイトなの?」
ぼーっと外を眺めるあたしにお母さんは
そう聞いてきた。
「えっ、なんで?」
「なんでって、そろそろ始まるなーって
言ってなかったっけ?」
あれ、
あたしそんなこと言ってたっけ?
「しかも溜息ついて疲れた顔しちゃって
さー。でもそれより今日の方が辛かったん
じゃない?」
「へ?」
溜息?
ついてたっけ?
あー、
夜也に会えなくてついたかもしれないな
複雑な溜息を・・・。
「羅菜頑張ってたけどもっと辛いことを
毎日やってかなきゃいけなから、
バイトはそれまでの試練ね」