怪盗ピエロとお仕事中*


「???」

「なんでもないっ!んじゃねーっ」

「えぇ!?なんでもなくないでしょっ
優貴くん!?」



なにかぼそっと呟いていた優貴くん。

なにを
伝えようとしてくれてたの?


だけどその答えは聞けないまま、
優貴くんは帰っていってしまった。


残ったのは心のモヤモヤだけだよ。



けど帰る以外もうどうすることも出来なく
てあたしは家に向かって足を進める。




「あら、羅菜?」

「・・・へ?」


とぼとぼ歩いていると、
聞き覚えのある声で呼び止められた。



「お母さん!?」

「えぇ?そうだけど?」


あっそりゃそうですよねー・・・
大声を上げたあたしが悪い。

でもまさか


ばったり会うとは思わなかった。




「なんでもう帰ってきたの?」

「ちょっ、なにその帰ってきてほしく
なかったみたいな…」