怪盗ピエロとお仕事中*


その日は帰りまでずっとその笑みの理由
を考えてたけど

全然わからなかった。




「鈴音、なんで笑ったの!?」

「えー!まだ言ってるのー?」


HRが終わった後も、
あたしは鈴音を問い詰めた。

だけど
なぜか鈴音は理由を言ってくれない。



そこが
また怪しいんだよっ

なにかありそうで怖いし~。



「羅菜っ!あたし芳樹が待ってるから
もう帰るわー」

「えぇ!?」


逃げだっ逃げだぞそれ~!!
あきらかに

なんだかよそよそしく教室を出ようとした
鈴音だけど


一度あたしの方を見た。


そして、



「そうだ羅菜っ!
知らない番号の電話には出ないようにね?
じゃあ、ばいば~い」



とわけのわからないことを言って帰ってい
った。

あたしは
ハテナを浮かべながら手を振っていた。