ただ話しただけだけど、
そんなに話したわけじゃないけど
ドキドキした。
だって・・・
「羅菜と夜也くんって話したの新学期に
なってから初めてじゃない?」
「あっ、鈴音。うんそうなる」
走り終わった鈴音が言った通り、
実は
新学期になってから話したのはさっきが
初めて。
正直、
すっごい話しかけられてびっくりした。
でも多分、あたしは好きって気づいてから
恥ずかしくて
声をかけられなかった。
バイトもあるとか言われてないし。
「あれ?なんでタオル?」
「え?あぁ、これは夜也なんかくれたの」
「・・・・・・あぁ、なるほど」
「え?なにその微笑み。」
なぜか、
1人で納得したようににっこり笑った鈴音。
不気味っ!
不気味すぎるじゃんか!!
理由を聞いても鈴音は
「なんでもないよー?」
としか言わなかった。


