…
「くそっ・・・掴みそこねた・・・。
羅菜、お前気づいてるんじゃねーの?」
――――――――――……
「羅菜、なんだか元気なくない?」
「えー?そんなことないよ?」
帰りのバス、あたしはずっと暗い顔をして
しまっている。
だけど、
目にうつるのは笑って話をする夜也。
よーちゃんって呼ぶ女の子と仲良くして
るし・・・
これってヤキモチ?
もーやだ。
自分が自分じゃないみたいだ。
「羅菜、見て!あれすごいよね?」
「ん?あっ、うん!」
「羅菜・・・・・・」
励ましてくれようとしている鈴音。
その優しさをむだにしたくないけど
あたしは少し上の空。
「なになに?羅菜ちゃんどうしたの?
元気ないね?」


