だけど、
水面から顔をあげたその人をみて
気づいた。
これって・・・完全に男の人じゃん・・・。
髪短いし・・・。
なにが鈴音だよあたしっ。
知らない人を待ってたなんてあたしは
本物のバカだった。
だけどどうやら、
知らない人ではなかったみたいだ。
「あれ?もしかして・・・羅菜?」
「え・・・?」
名前を呼ばれて、あたしはその人の
顔をしっかり見た。
「夜也・・・?」
「おう!お前、今日俺といいタイミングで
会うな」
バットタイミングばっかりですけどね!?
あたしはそっと
一歩下がった。
水着姿を見られたくてなくて。
「そういえば、羅菜・・・パーカー脱いだ
んだな?」
「へ!?」
さっそく見やがったぞこいつ!?
完全にあたしの水着姿を直視している。