あたしは強くないから、
ただフラれるのが怖いだけなん
だよね。
「羅菜・・・じゃあ泳がない!?」
「へ?」
あたしはきっと暗い顔をしてたん
だと思う。
鈴音は焦ったように唐突にそう
言った。
「あははっ、唐突すぎっ。
でも確かにそろそろ泳ごうかなっ」
「うん!そうしようよっ」
あたしは、
筆者なんだろうけどそんな鈴音に
笑ってしまった。
だから、もう自意識過剰なあたし
はやめよう。
まず、夜也はあたしの姿なんて
目にもはいってないんだから。
なんにも気にする必要なかったん
だよね。
「じゃあ、羅菜海まで競争だっ」
「おっ、負けないよっ」
バサッ!!
あたしはパーカーを脱いで
走り出した。