なにされるか分からない恐怖、
掴まれた腕・・・
あたしは悪い方向にいっぱい考えてし
まっていた。
でもでも、
夜也の前で泣きたくなかった。
強い自分でいたかったのかも・・・
でも
そんなことやめとけばよかったね。
……
「ハァハァ…やっぱり1人で泣いてると
思ったよ」
息切れとともに聞こえた男の人の声。
ふりむいた
あたしの前に立っているのは
どうして、どうしていつも夜也は・・・
こうゆうときにあたしの元に来てくれる
んだろう・・・。
でもきっと、
そんな優しさがあたしは好きで・・・
あれ・・・
今あたし・・・
好きって思った?
あたしは、自分で思ったことなのにす
ごく驚いた。
「羅菜?お前、震えてるじゃん。
大丈夫か?」
「え?あっ・・・うん!」


