それは分かってても、
どうしても夜也の差し伸べてくれる手を
握ることはできない・・・。
「ありがとう!でももう、
大丈夫!!助けてもらってごめんね」
「え?おい、羅菜・・・?」
あたしは、
夜也が差し出してくれた手を握ることは
なく
立ち上がる。
向かうのは、
1人になれる場所だ・・・。
「わっ、この崖たか・・・そりゃ誰も
こないよね・・・」
あたしが見つけたのは
崖です・・はい。
あーぁ、
でも今はそんなことより・・・
「・・・っ、やっば・・・」
さっきの恐怖があたしを襲うんだ。
1人になってすぐ
あたしはこの場にしゃがんで震えながら
涙を流してしまった。
本当は、
ただたださっきの状況が恐かったんだ。


