「絢華ちゃん?」


「えっ」




隼人さんがゆっくりとこっちへ歩いてきた。




「どうした?」


「えっ」




何のことを言っているのかわからず、首をかしげる。


そしたら、隼人さんの手が伸びてきて、あたしの頬に触れた。




「泣いてる」




嘘っ……


慌てて自分の手で頬を触ると、ほんとに濡れていた。




「やだっ、あたし、何で……」


「大丈夫?」


「うん、大丈夫だよ」




そう言って、涙を拭いた。


きっと、優太のことを思い出していたから。


知らぬ間に涙がこぼれちゃったんだ。




しばらく遊んでから、夕飯の準備に取りかかる。


昼間のうちにだいたいができていたので、すぐに準備が整った。


テーブルの上に、優華の大好きなオムライスをメインに料理を並べる。




みんなでワイワイ食べていると、玄関のインターホンがなった。


やってきたのは、店長と奥さんの伶奈(レイナ)ちゃん。




「優華ちゃん、お誕生日おめでとう!」




そう言って手渡されたのは、大きなプレゼント。