イルカショーを見たあとは、小さな水槽で泳いでいる小さな魚を見たり、ヒトデをキャーキャー言いながら触ってみたり。


ちょっと薄暗い場所には、クラゲがいた。


紫色のネオンの中でゆったりと泳ぐ姿が、凄く綺麗だった。




「ママ、きれいだね」




そう言う蒼太と優華の間にしゃがんだ。




「うん、綺麗だね」




舜はその後ろに立って見ていた。


凄く、穏やかな時間だった。




しばらく見ていると、急に騒がしくなって、若い子の集団が来たんだなぁって、なんとなくそう思った。




「あれ、舜じゃない?」




女の声が聞こえてきた。




「あっほんとだ、舜だ。おまえ今日来れねぇって言ってたじゃん」




今度は男の声。




「俺は俺で予定があんの」




舜は淡々とそう答える。


あたしは振り向くことができなかった。


絶対に浮いちゃうことはわかってるから。