「動悸が不純なのよ、ミカコは」
大学の同期の親友、リカが呆れ顔で言う。
それに対して、アタシは何も言い返せないまま手元のグラスを手に取った。
たまたま夜勤明けで休みだったリカと待ち合わせて、少し遅めのランチ。
【GREEN】という名の通り、店内はテラスから続く植物に覆われて外の喧騒を忘れさせてくれるお店だ。
アタシとリカは、平日オススメのパスタランチをオーダーして向かい合うようにテラス側の席に座っていた。
「で、2年働いて出会ったわけ?」
「……」
無言のまま顔を上げると、覗き込むように見つめるリカの目とバッチリ合ってしまった。
「…会えてません」
「でしょー?大体、15年も居場所さえ知らない男が地元の病院に訪れるなんて確立低いんじゃないの?」
「…そ、だね」
アタシだって簡単じゃない事くらい分かってる。
でも、こうするしか思いつかなかったんだもん。
最後に会った病院で働いてたら、偶然でもアイツがひょっこり現れるような気がして。
だから必死に勉強して、親を説得して医者になった。
大学の同期の親友、リカが呆れ顔で言う。
それに対して、アタシは何も言い返せないまま手元のグラスを手に取った。
たまたま夜勤明けで休みだったリカと待ち合わせて、少し遅めのランチ。
【GREEN】という名の通り、店内はテラスから続く植物に覆われて外の喧騒を忘れさせてくれるお店だ。
アタシとリカは、平日オススメのパスタランチをオーダーして向かい合うようにテラス側の席に座っていた。
「で、2年働いて出会ったわけ?」
「……」
無言のまま顔を上げると、覗き込むように見つめるリカの目とバッチリ合ってしまった。
「…会えてません」
「でしょー?大体、15年も居場所さえ知らない男が地元の病院に訪れるなんて確立低いんじゃないの?」
「…そ、だね」
アタシだって簡単じゃない事くらい分かってる。
でも、こうするしか思いつかなかったんだもん。
最後に会った病院で働いてたら、偶然でもアイツがひょっこり現れるような気がして。
だから必死に勉強して、親を説得して医者になった。

