・・もうね、マズイとしか形容できない。

甘ったるい層と、氷が溶けて出来た水っぽい層が口の中で混ざり合って、何とも言いがたい味。

でも、そんなグチャグチャな感じが今のあたしにはピッタリ合ってる気がして笑いがこぼれる。

あたしは、シンの事が好きなんだろうか。

可愛い彼女がいても、想っていていいんだろうか。

サトルはどうする?

迎えに来るって言ってたじゃない?

いいよ、その時は――

もう、会わないから。

番号も消す。

メールも消す。

何もかも、他の男も消去するから――好きでいてもいいですか?

例え、彼女と結婚して子供が生まれても、ずっと好きでいいですか?

隣にいる事が出来なくてもいい。

シンが幸せならば、あたしは想いを告げることなく死んでしまってもいいから。


「もう一杯、同じヤツください・・・」

1杯しか飲まないって決めたのに。

弱いあたしが強いお酒飲んてこんな高いヒールで歩いたら、絶対転ぶって分かってるのに・・・。

雑貨屋のオーナーの顔が浮かんだ。

ゴメンね。

願いは叶いそうにないです。

それよりも、相応しい2人がいますから。

その人たちの下で、大切に使ってもらった方が幸せなんだと思います・・・。