「明日、時間会ったらこの前の埋め合わせで付き合ってくださいよ!」

「明日?仕事が終わって?」

「はいっ!」

「別にいいけど、どこ行くの?」

首を傾げるあたしに向かって、ナナちゃんは不敵な微笑を返した。

「な、何?」

「明日、外科の先生とそこの看護婦たち皆で水炊き食べに行くんですけど・・・」

そう前置きして、

「外科のドクターの希望により、ミカコ先生も急遽参加って事になりましたから!」

と、ニッコリ笑って言う。

「え・・・ヤダ。外科に知り合いいないもん」

「知り合いになればいいんですよ!」

「いいよ、無理無理!!」

ブンブンと目の前でオーバーなくらい両手を左右に振って抵抗する。

「・・・絶対埋め合わせするって約束したでしょー!!」

ナナちゃんは、唇を限界まで突き出して、怒った表情で目の前に迫ってきた。

あたしは何も言えずにパチパチ瞬きして仰け反る。

「約束ですよ!それと、聞き耳立ててる前田先生?ダメですよ、来たら。年齢制限ありますから!!」

フイッと顔を奥に向け、ナナちゃんの激が飛んだ。

「バレタかぁぁぁぁクソォォォォ!!」と、隣の診察室から喚く前田先生の声。

何だか可笑しくなって、柄にもなくゲラゲラとお腹を抱えて笑った。