私はこの日初めて笑った。 「…」 左に歩く湖の視線を感じて振り向くと一瞬目があった。 「どうかしたか?」 「あ…いや。何でもない。」 「…?そうか。…はぁーあったく、美紀の奴絶対明日なんかおごらせてやる…」 そのとき私は暗くてよくわからなかったが、湖の顔が少し赤かったということなんて、誰も知らない。