「弟も連れて行っていいですか?」

「はぁ?
 弟?」
 俺は予想外の彼女の言葉に、気の抜けた声を出してしまった。



「ダメでしょうか?」
 俺の返事を聞いて、ちょっとしょげた感じの由美奈ちゃん。


「あっ・・・・・・、だめじゃない。
 もちろん、どうぞ」
 にこっと微笑んで俺は了承する。

「よかったぁ。
 弟も動物大好きだから、見せてあげたいんです」

「そうなんだ。弟クンはいくつ?」

「8歳です」

「小学2年生って所かな。
 家族そろって動物好きなんだね」
 


 由美奈ちゃんと2人きりではなくなってしまったものの、かえってよかったのかも知れない。



―――2人きりだと、またしても妄想が暴走しかねないもんな。
 
 弟クンがいれば自重できるだろう。




「絶対喜びますよぉ。
 あっ、それで待ち合わせ場所ですけど、店前の大通りをずっと行った所に泉ヶ丘公園がありますよね。
 そこでもいいですか?」

「うん、分かった。
 そこに3時だね」

「はい。
 楽しみにしてますね」

 由美奈ちゃんはにっこりと笑った。