年下のカノジョ~あの子は高校生~

「由美奈ちゃん、由美奈ちゃん」

 心配そうな彼の声。

 私の涙腺は壊れたんじゃないかってくらい、次々と涙がこみ上げる。




「大丈夫?」
 私の肩に置かれていた手が背中に回され、やんわりと抱き寄せられる。


「大丈夫じゃないです!
 正和さんのバカッ」
 ドン、と目の前にある彼の胸を叩いた。


「バカ、バカッ。
 あんな紛らわしい言い方してっ」



「あぁ。
 紛らわしかった?」
 俺なりに考えて来たんだけど、とつぶやく声が聞こえる。




「凝りすぎて分かりづらいです!
 あれじゃ、“別れよう”って聞こえますっ」




 勘違いした恥ずかしさ。


 突然のプロポーズの対する驚き。


 別れ話じゃなかったことへの安堵。




 そして。

 この先一生、彼とともに人生を歩める嬉しさ。




 いろんな感情がゴチャゴチャになっていて。







 でも。

 一番大きいのは、やっぱり喜び。