彼は今まで見た中で、一番真剣で、一番緊張した顔で私を見つめ返す。



「由美奈ちゃん」

 名前を呼ばれて、私にまで彼の緊張が伝染して来た。




 ドクン、ドクン・・・・・・。
 
 鼓動が早い。




「由美奈ちゃん」

 もう一度私の名前を呼んで、正和さんは私の左手を握り締めながら言った。





「“俺の彼女”から、“俺の奥さん”になってください」




 そう告げる彼の顔は、私の大好きな笑顔だった。