「由美奈ちゃんのような若くて可愛い子に、俺みたいなオジサンが手を出したとなったら、周りから白い目で見られるのが少し怖かったんだ」
 
 俺がそう言うと、彼女は以外だとでも言わんばかりに目を開く。


「正和さんのような大人でも、そうやって怖がったり、悩んだりするの?」


「そうだよ。
 まぁ、由美奈ちゃんよりは長く生きているから解決法もそれなりに知ってるし。
 精神的にもある程度は強いよ。
 でもね、人間は死ぬまで学ぶことばかりだから。
 そうすると、俺なんかまだまだだし。
 壁にぶつかる事だってあるんだ」
 

 由美奈ちゃんに優しく微笑む。

「話が少しずれちゃったね。
 要するに、俺が堂々と宣言すれば、由美奈ちゃんは自分が周りに認められたって感じてくれるんじゃないかって。
 どう?
 俺が言ったことは外れてる?」
 


 由美奈ちゃんはゆっくりと左右に首を振る。

「・・・・・・ハズレじゃないです」



「もっと早くに気がついてあげればよかった。
 そうすれば、由美奈ちゃんにこんな寂しい思いをさせなくて済んだのに。
 ごめんね」
 
 これまでの謝罪の気持ちを込めて、そっと額にキスをした。