―――こんなにも愛しくて、大切な人に出会えた幸運に感謝だ。


 由美奈ちゃんの甘い香りを味わいながら、自然と口元が微笑む。





 人の出会いは不思議だ。


 一昨年のクリスマス。

 田口さんが由美奈ちゃんをバイトに誘わなければ、俺たちは出会うことはなかった。




 たった1本の電話が、俺と由美奈ちゃんを出会わせてくれた。




 自分が11才も年下の女の子に恋をするなんて、夢にも思わなかった。


 そして。

 俺の想いが彼女に届くなんて、それこそ夢のまた夢だと思っていた。



 だけど。

 今、こうして由美奈ちゃんは俺の腕の中にいる。


―――本当に不思議だな。




 これから先も色々な出来事があって、その度に俺達は壁にぶつかるかもしれない。


 でも。

 手を取り合って、気持ちをあわせれば大丈夫。



―――俺達2人なら、きっと大丈夫。



 そんな願いを込めて、彼女の髪に触れた。