それから、店長は『この際だから話すけど』と、由美奈ちゃんが必死で田辺さんとの事を俺に隠そうとしていたことも教えてくれた。



『何度も頭を下げて、私に頼み込んだのよ。
 正和君に心配かけたくないからって』
 



 これを聞いて、俺は店長の前だというのに泣いてしまった。




 由美奈ちゃんは俺のことを考えてくれていた。


 心細かっただろうに、俺のことを優先してくれた。
 


 俺を守ろうとしてくれていたのだ。

 17才なりに。
 


 それを、年上の俺が気付いてあげられなかった。


 今度は俺が由美奈ちゃんを守ってあげなくては。






 俺がこれまで田辺さんにあいまいな態度を取っていた事も、原因の1つだ。


 けじめをつけるためにも、話をしなくてはならない。