―――私は彼にふさわしい彼女なのかな?



 ううん。



 相応しくなければ、つり合うようにこれから頑張ればいいんだ。
 


 私と正和さんは、まだ始まったばかり。
 
 この先は長いんだから。



「分かりました。
 焦りません」
 
 正和さんの心臓の音を聞きながら、私は彼に、そして自分自身に言った。







「それにさぁ。
 急いで大人になられたら、俺が教え込む隙がなくなるじゃん」
 ぼそっとつぶやく正和さん。





「えっ?
 教え込むって、何をですか?!」
 私は頭を起こした。





「い、いや・・・・・・。
 こっちの事」
 正和さんの顔が少し赤い。


「も、もう7時になるね。
 送るよ」


 そう言って、彼は言葉の先を隠してしまった。