≪SIDE:由美奈ちゃん≫
 

 壁に押さえつけられていた手首が開放されると、とても立っていられる状態じゃない私。

 へなへなと座り込んだ。



 頭の中では『どうして?』が、目まぐるしく駆け回っている。


 何も考えられない。

 怖くて、怖くて。




『もしかして、嫌われたのかも』と、思い浮かべるのが怖くて。



 何も考えられない。


 考えたくない。