「ほらね」


 くすっと笑う俺とは反対に。

 由美奈ちゃんの顔は驚きに硬くなる。



「そんな顔したって止めてあげない。
 俺は怒っているんだから」


 青い顔をして、由美奈ちゃんが尋ねる。

「怒ってる?
 どうして・・・・・・?」



 俺は答えない。




 由美奈ちゃんが俺の手を押しのけて、逃げようとしているけど。

 どう考えたって男の力にかなうはずもない。


 それでも、必死に俺の手を押さえ込もうとしている。



―――邪魔って程でもないんだけど、なんとなく面倒だよな。


 さて、どうするか。