「ま、正和さん?!」


 腕の中で由美奈ちゃんが硬直した。



「変なこと考えてたでしょ?」  
 俺は静かに言う。




 彼女の肩がビクッとした。


―――図星か。



 それでも由美奈ちゃんは必死にごまかそうとする。

「や、やだなぁ。
 正和さんたら、何言ってんですかぁ?
 変なのぉ」

 明るくおどけてごまかそうとしているけど。


 そこまで俺は鈍くない。




「だって。
 今の由美奈ちゃんの顔、この前ここに遊びに来た時と同じだよ」


「―――え?」

 由美奈ちゃんの声が固くなった。