「仕事は・・・・・・。
 洋食のコックをしてますけど」


「コックさんでしたかぁ」

「お店はどこですか?」



―――今じゃ、女性のほうが積極的なんだな。


 2人の勢いに気圧されて。

 どうしたものかと思案していると、由美奈ちゃんの姿が見えた。




「あっ、すいません。
 彼女がきたので。
 お話はもういいですか?」

 
 俺の言葉に彼女たちはパッと振り返る。


 そして、由美奈ちゃんに目をやった。




 一瞬怪訝な顔になったが、すぐに笑顔になる2人。

 いかにも愛想笑いって感じだったけど。




「失礼しました」
 と言って、由美奈ちゃんの横をすり抜け、化粧室へと入って行った。