入場券を買って、いざ入ろうとした時に由美奈ちゃんが止まった。


「どうかした?」


 見るとなにやら困った顔をしている。

「あの。
 髪を留めていたピンがうまく刺さっていなかったみたいで、崩れてきちゃって。
 直してきていいですか?」

「いいよ。
 ここで待ってるから、行っておいで」


「はい」

 由美奈ちゃんは小走りで、横にある化粧室に入って行った。









 10分は経っただろうか。

 彼女はまだ戻ってこない。


「どうしたのかなぁ。
 上手に出来ないのかな」
 



 女性化粧室の入り口に目をやった時。

 後ろから声をかけられた。



「あの・・・・・・」


 声のしたほうを見ると、25才前後の小奇麗な女性が2人。