新年明けて2日。


 俺は実家に戻っていた。

 毎年恒例の新年顔合わせである。



 公介叔父さんと、玲子叔母さんはもちろん。

 親父と年子の弟である英太叔父さん、カスミ叔母さんに中学生と小学生の女の子2人。


 俺の両親に、5歳年上の俺の兄貴、里香義姉さん。


 それに俺の甥にあたる三つ子の男の子。

 来年から幼稚園に通うらしい。
 


 そして俺、と言う結構にぎやかな場になっている。




 母さんと義姉さんの力作である5段重ねのおせちをみんなで囲む。
 

 その他にも、刺身やら、漬物やら、イカの燻製やら、チーズの盛り合わせやら。

 つまみになりそうな料理が所狭しとテーブルの上に並んでいる。


 さすが、酒飲み一族の三山家だ。

 抜かりはない。
 


 挨拶もそこそこに、酒が飲める大人たちは目の前に並ぶ色とりどりの料理を肴に、既に酔っ払いモード。
  



 そんな酒の席の話題に上るのは、ここ数年決まって俺の結婚について。


「で、正和君。
 どうなんだい?」
 英太叔父さんがまず話を振るのがお決まり。


 髪が少し薄くなった頭は、ほんのりピンク色。

 鼻の頭は真っ赤で、なんだかピエロみたいだ。


「どうって・・・・・・?」
 わざととぼける俺。

 しかし、
「そんなの、お前の結婚についてに決まってんだろ?!」
 と、すかさず親父が突っ込む。

「あ、ああ。
 うん」
 俺はどうにかして話題をそらそうと思案するが、毎年うまく行かない




 これもお決まりのパターンだ。

 しくしく。