けれど、確かに光を見たのだ。

 真珠のようにやわらかい光の帯が、彼女を取り巻いていたのだ。



 そんな体験はいまだかつてしたことがない。


 そして。

 不意に手が重なった時に俺の体を包んだ奇妙な感覚が忘れられない。


 確かに酒はかなり飲んでいたが、記憶があいまいになるほど酔ってはいなかった。

 だから、自分が感じ取ったものは夢や幻ではない。



―ーーじゃあ、俺が感じたものは何だったんだ?


 回る洗濯物と同じく、俺の思考回路もただグルグルと巡るだけ・・・・・・。



『ピーッ!ピーッ!ピーッ!』


「っうわぁ!!」

 突然響いた甲高い警告音に、俺は我に返った。


 洗濯機のフタを開けたままだったので、すすぎ前の脱水に入れず、それを知らせる音だった。


「ほわぁぁ、びっくりしたぁ」

 額の冷や汗をぬぐって、フタを閉めた。


 再び動き出す洗濯機。


「さっきの音みたいに、俺に答えを教えてくれないかなぁ・・・・・・」


 言ったところでどうにもならないのだが、やり場のない想いは、ふと口から滑り出していた。