大声で泣き出したいのをこらえているのか、さっきよりも震えている彼女の肩。



 その健気さが愛しくて、愛しくて。

 俺は彼女の肩をそっと抱き寄せた。


「もう、馬鹿だなぁ。
 由美奈ちゃんは」



 由美奈ちゃんは顔をぱっと上げて、俺のことをにらんだ。

「馬鹿って・・・・・・、
 なんで、す・・・・・・かぁ。
 私、すごく気になって。
 すごく、悩んで・・・・・・」
 ポロポロと涙をこぼしながら訴える。


 だから夕べの電話の様子がおかしかったのだ。
 
 

―――気付いてあげられなくて、ごめんね。



 由美奈ちゃんをしっかりと胸に抱きこんだ。