「よぉし!!
 教えてくれないと、こうだぞっ!」

 俺はがっちりと腕を回し、これまで以上にきつく抱きしめる。


「く、苦しいですぅ。
 でも、言いませんからぁ」


 思いのほか負けず嫌いな由美奈ちゃん。


 頬を真っ赤にして、俺の腕から抜け出そうと懸命だ。 
 




―――いつか聞き出してやろう。


 俺は心の中で密かに誓う。


 だって、時間はこの先たくさんあるのだから。







 今日、俺たちは“彼氏”と“彼女”になった。