ここでたそがれていても仕方がないので、俺は荷物を置きにとぼとぼとロッカーへ向かう。




 紙袋をしまい、ロッカーの扉にコツンと額をつけた。


 人を好きでいることって、こんなにもどかしいものだったか?
 
 こんなに不安になるものだったか?
 



 こんな想いは初めてだ。

 これが恋愛だというなら、過去に付き合った女性との関係は何だったのだろう。
 
“恋愛ゴッコ”だったとでも言うのだろうか。
 



 俺のこれまでの恋愛は一体・・・・・・。





―――いや、違うな。

 由美奈ちゃんだからだ。

 相手が由美奈ちゃんだから、こんなにも心が揺れ動くんだ。




 母さんに言われた“運命の出会い”というのが、少し分かった。