「ありがとうございます。
 いただきます」
 と、由美奈ちゃん。

「ありがとうございまぁす
 可愛い包みですね」
 と、田口さん。


「どういたしまして」
 俺は紙袋を脇に抱えた。



「じゃ、私達着替えてきます。
 由美奈、行こっ」

「うん。
 今日も頑張ってね」

 手を振って2人を見送った。







 誰もいなくなった通路。

 俺は壁に背中を預けてもたれかかった。




「はは・・・・・・。
 はははっ。
 やっぱり無理なのかな」

 ぼんやりと天井を見上げて、つぶやいた。
 

 先の見えない未来。

 保証のない恋。
 



 ほんの些細なことで自信がなくなる。




「俺ってこんなに意気地なしだったっけ?
 ははっ」

 乾いた笑いだけが、1人残された廊下に響く。