哲さんに事情を説明して、私たちはホテルの最上階のテラスカフェに入った。 真夏の太陽に向かって聳えるビル群、高速を行き交う車。 そんな光景を遠くに見ながら、向かい合わせに座った。 「お前の父親はコイツだ…」 お父さんはケータイを取り出し、テーブルに置いた。 画面に写っている画像はお父さんとお母さんの結婚式の写真。 タキシード姿のお父さん。 ウェディングドレス姿のお母さん。 改めて見ると、私はお母さんに似ていた。 お母さんをお父さんと挟むように写る若い男性… この人がもしかして?